年に一度しか運行されない国際会館駅行きのバス。午前5時55分発にも関わらず、ファンらが列を作った(京都市左京区高野竹屋町)

年に一度しか運行されない国際会館駅行きのバス。午前5時55分発にも関わらず、ファンらが列を作った(京都市左京区高野竹屋町)

 乗り遅れたら次の便は1年後―。年に1回しか運行しない京都バス(京都市右京区)の路線が、増加の一途をたどっている。乗客減の中で運転手不足も慢性化し、今春には計11路線になった。将来の需要増に対応するため維持されているが、新型コロナウイルス流行による観光客激減も直撃。乗客が増える要素は見当たらず「幻のバス路線」脱却への兆しは見えない。

 「春分の日」の20日、まだ薄暗い午前6時前。京都バスの高野車庫(左京区)から、この日しか運行されない地下鉄国際会館駅行きのバスが出てきた。集まったファンら約10人が一斉にシャッターを切り、次々と乗り込んだ。乗車した男性(16)=左京区=は「めったに乗れないので早起きしてよかった」と満喫した様子だった。

 同社によると、「幻のバス路線」が誕生した一因には運転手不足がある。1日1本の運行でも人手が必要だが、一度廃止すると国の認可や住民との調整などをやり直す必要があり、再開は難しい。「将来、需要が増加した時にすぐ対応できるように」と、2012年に京都市内の4路線を春分の日の片道1本に変更した。運転手不足は慢性化し、同様の路線は年々増えている。