今年2月に作ったバレンタインをテーマにした作品。粘土で作ったお菓子の模型や愛らしいクマや子犬のぬいぐるみが並ぶ(京都市右京区・右京中央図書館)

今年2月に作ったバレンタインをテーマにした作品。粘土で作ったお菓子の模型や愛らしいクマや子犬のぬいぐるみが並ぶ(京都市右京区・右京中央図書館)

右京中央図書館のディスプレーを2008年から毎月飾り付けてきた文字さん(京都市右京区)

右京中央図書館のディスプレーを2008年から毎月飾り付けてきた文字さん(京都市右京区)

 2月のバレンタインはお菓子作り。12月のクリスマスはプレゼントを配るサンタクロース―。右京中央図書館(京都市右京区)のディスプレーを10年以上、季節に合わせて毎月飾ってきた女性がいる。ぬいぐるみや自作した菓子の精巧な模型を使って愛らしい作品を作り、来館者を楽しませてきた。「訪れた方にほっこりしてもらいたい」と語る。

 右京中央図書館の受付カウンター横にある、縦横ともに170センチほど、奥行き50センチのショーケース。3月初旬に登場したのは、ぬいぐるみのクマや子犬が、名札に名前を書いたり、裁縫をしたりする光景。テーマは「卒業」と「入学準備」。粘土を色づけして作られたまんじゅうや桜餅、小さな卒業証書やランドセルも並んだ。

 手掛けたのは、図書館アルバイトの文字(もんじ)ちひろさん(39)=同区。本の貸し出し受け付けや破れた本の修復に携わる。合わせて、クマの「うきょうくん」が花見をしたり、海で遊んだりする様子など季節感のある展示作品も作ってきた。

 「小さい頃から細かい作業が得意だった」といい、雪の結晶形の切り絵や雨に見立てたビー玉もつるし、スペース全体を使う。切り絵やディスプレーの解説本を参考にすることも多い。「図書館なので資料は無限にあります」

 始めたきっかけは、図書館開館から半年後の2008年12月のこと。ケースには祇園祭の山鉾を描いた屏風(びょうぶ)があったが、文字さんが「クリスマスに合わせた展示をしたい」と企画。プレゼント用にラッピングした箱などで飾り付けた。来館者からは好評で、翌月以降もテーマを替えて続けた。

 13年には本の返却ボックスに「うきょうくんを毎月楽しみにしています」という手紙と一緒に、子犬のぬいぐるみ2個が寄せられた。来館者から名前を募り、「あずき」「きなこ」という名前が付いた。今では、展示に欠かせないキャラクターになった。

 ガラスケースには子どもの手の痕がついていることも多い。「子どもがケースにへばりついて見てくれるような作品を心がけている」と話す文字さん。製作回数は昨年で150回を超え、「飽きの来ない作品を今後も続けていきたい」と笑う。

 火曜休館。写真撮影は不可。