真言宗御室派総本山、仁和寺(京都市右京区)境内の「御室成就山八十八カ所霊場(OMURO88)」で、6年後の霊場開山200年に向けた整備計画が進んでいる。2時間ほどで1周できる身近な霊場だが、近年は谷筋の池が決壊したり土砂が流出したりといった災害が頻発。抜本的な対策を施すためには膨大な費用がかかるが、新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止となり、事業は思うように進まない。仁和寺では、新たな御朱印の授与やウオークラリーの実施など地道な取り組みで参拝者増を狙う。四国への巡拝ができない人ために開かれた信仰の場を、次世代に残すための模索が続く。

 3月中旬の晴れた午後、成就山を歩いた。平日にもかかわらず女性グループや高齢者の一人歩き、ランニング中の男性などと次々とすれ違う。「こんにちは」のあいさつを交わしながら歩く途中でも、補強用の木材がなければ今にも崩れそうな札所がいくつも目についた。「15、16カ所のお堂は緊急に整備が必要」。仁和寺管財課長の金崎義真さん(46)が指摘する。

 成就山の霊場は、1827年に仁和寺29世済仁法親王が発願し、四国八十八所の砂を持ち帰らせて建立したことに始まる。山頂近くまで登ると京都タワーや清水寺も望める魅力的なコースは、歩いていると堂宇の傷みぐらいしか気付かないが、より深刻な問題は谷筋が崩れかけていることだという。

 「豪雨の度に崩れた土砂が池にたまり、次の雨でまた……