街路樹の剪定作業で出た枝葉を食べるゾウたち(京都市左京区・市動物園)

街路樹の剪定作業で出た枝葉を食べるゾウたち(京都市左京区・市動物園)

型抜き後の余った金時にんじんも動物の餌になった=京都市動物園提供

型抜き後の余った金時にんじんも動物の餌になった=京都市動物園提供

 動物の餌をいただけませんか―。新型コロナウイルスの影響などで京都市の財政が悪化する中、市動物園(左京区)が「聖域」とされた餌代の節約に知恵を絞っている。昨秋ごろから高い餌を見直す一方、農家や店舗に規格外の野菜などを寄付してもらえるよう、積極的に呼び掛け始めた。

 3月31日朝。寝室からグラウンドに出てきたゾウたちが、周辺に置かれたカシ類などの枝葉を勢いよく食べ始めた。街路樹の剪定(せんてい)作業で出た枝葉で、前日に造園業者が園に運び込んだ。

 園によると、飼料費(餌代)は年間6千万円ほどかかり、近年は増加傾向にある。育ち盛りが多いゾウ5頭の餌代で、全体の約4分の1を占めるという。

 だが昨年度、コロナ禍で市財政当局から運営費を絞るよう求められ、飼料費も検討対象となった。和田睛太郎副園長は「このままでは予算を大幅に超え、補塡(ほてん)する余裕もない。餌は動物の命に関わるので聖域扱いだったが、持続的な運営のため見直す必要があった」と漏らす。

 そこでまず、ゾウやキリン、ゴリラといった多くの動物が食べ、飼料費の約4割を占める単価の高い枝葉に着目。一部を牧草やわらなどに代替した。

 園内や府立植物園(左京区)の剪定枝は以前から餌として活用していたが、造園業者などに呼び掛け、園外で伐採された木々も受け入れ始めた。薬剤が残っていないことや食べられる種類を伝え、これまで計1トン以上が寄せられた。

 市動物園のサイトでの紹介や人づてで、取り組みは徐々に知られるようになり、枝葉以外の寄付も集まっている。中京区の青果店「京秀味」は昨年11~12月、おせち料理用に型抜きした後の金時にんじん約430キロを届けた。社員の曲淵(まがりぶち)盛治さん(69)は「喜んでもらえてうれしいし、捨てるのはもったいないのでこちらも助かる。今後も続けたい」と話す。

 金時にんじんはウサギやチンパンジー、テンジクネズミなどが味わい、今年2月には京丹後市の農家から規格外のさつまいも約150キロが送られてきた。

 餌は通常、入札で四半期ごとに購入するケースが多い。寄付の場合、安定的な受け入れや安全性の担保などの課題はあるが、本年度は400万~500万円の節減効果を目指す。

 和田副園長は「応援してくれる人が多くてありがたいし、手応えもある。餌の種類の広がりや廃棄物の削減、教育面などさまざまな効果につなげたい」と語る。餌の寄付は一定量が必要で、園に持ち込むか送料負担で送る。事前の相談が必要。同園075(771)0210へ。