職人の手仕事による西陣織の帯(3月12日、京都市左京区・みやこめっせ)

職人の手仕事による西陣織の帯(3月12日、京都市左京区・みやこめっせ)

 イタリアの高級ブランド「ヴァレンティノ」が、着物の帯のような布を女性モデルが踏みながら歩く動画広告をホームページに掲載したことついて、西陣織工業組合(京都市上京区)が2日、日本法人(東京都)に抗議文を送付した。

 動画広告は、帯のように見える布の上を日本の女性モデルがハイヒールを履いたまま歩くシーンがあり、SNSで批判が殺到した。同社は公式ツイッターで「布は着物の帯ではない」と否定した上で「多くの方に不快な思いをさせた」と謝罪し、動画も削除した。

 抗議文は1日付で、博多織工業組合(福岡市)との連名。動画広告を「日本文化の原点ともいえる帯をハイヒールで踏み歩くなど日本文化を著しく冒涜(ぼうとく)するもの」と非難している。ツイッターの釈明も「言い繕い」と一蹴し、「襟を正して文書で反省を示すべきではないか」と訴えている。

 西陣織工業組合の舞鶴一雄理事長は「職人が汗水を垂らし、命を懸けて作ったものを踏まれてどう思うか。ものづくりをされている方へのリスペクトを示してほしい」と述べた。

 西陣織と博多織は国内屈指の帯の生産地。西陣織は1976年に国の伝統的工芸品に指定されている。