1991年5月に死者42人を出した信楽高原鉄道事故を機に、遺族が中心となって設立した「鉄道安全推進会議(TASK)」(事務局・兵庫県明石市)が6日までに、解散する方針を固めた。重大な鉄道事故の原因究明に関する法律や調査のあり方の転換に役割を果たし、被害者の立場から公共交通の安全に大きく貢献してきた。だが、発足から25年以上が経過して遺族も減少しており、「一定の役割を果たした」として役目を終える。

 TASKは93年8月、事故調査の充実などを目指して、同事故の遺族有志が呼びかけ、別の鉄道事故被害者や鉄道会社などと設立した。当時、国に鉄道事故を調査する常設組織はなく、旧運輸省(現・国土交通省)が臨時に設置した委員会の調査過程や結果の情報公開が不十分として、遺族から不満が続出していた。

 事故遺族の立場から、国際的な潮流だった「独立した事故調査機関の設置」を国に提言。2001年10月、法的調査権を持つ国交省の「航空・鉄道事故調査委員会」(現・運輸安全委員会)の発足につなげた。

 明石市の歩道橋事故(01年)や尼崎JR脱線事故(05年)などの遺族とも交流を深め、重大事故における被害者支援の法的整備や、事故調査の情報公開なども求め続けた。公共交通機関の安全に関する国際シンポジウムも開催した。

 だが、ここ2、3年は、遺族が減少し、信楽高原鉄道事故の慰霊祭参加が主な活動となっており、2月4日の役員会で解散の方針を決めた。今年6月に大阪市で開く総会で提案し、可決されれば解散するという。