2021年度の京都市予算資料。ふるさと納税など民間資金の目標額を掲げている

2021年度の京都市予算資料。ふるさと納税など民間資金の目標額を掲げている

 京都市が2021年度に獲得を目指すふるさと納税などの民間資金が、前年度(約11億円)の4倍の計46億円に上っている。財政危機で自由に使える財源が不足する中での苦肉の策だが、コロナ禍で経済が疲弊する中、市の想定通りに資金が集まるかは不透明だ。専門家は「不安定な財源である民間資金を頼るリスクは高く、行政は慎重になるべきだ」と警鐘を鳴らす。

 46億円のうち、約42億円は個人からのふるさと納税で、その額は前年度実績の2倍以上を見込む。残る約4億円は企業版ふるさと納税や個人・企業からの寄付金、協賛金で、資金集めは各事業の担当課に任されている。

 企業版ふるさと納税などの約4億円は、21年度予算で50事業の財源に組み込まれている。3年前に閉鎖した東京の情報発信拠点「京都館」に代わり、ウェブ上に設ける「バーチャル京都館」は、予算2千万円のうち1500万円が民間資金だ。また同館ホームページについても、500万円の事業費全額を寄付に頼る予定で、担当者は「財政難の中、PRを頑張って寄付金を獲得するほかない」とため息をつく。

 また、昨年リニューアルした市京セラ美術館(左京区)では、常設展の開催費4100万円のうち、半分の2千万円に民間資金を充てる。同館の担当者は「あらゆる機会を通じて寄付を呼び掛けているが、コロナ禍で企業の経営状況が悪化する中、本当に集められるだろうか」と不安をのぞかせる。

 他にも、東本願寺前の市道を緑地にする事業(充当額2700万円)や消防団の活性化事業(同50万円)などに、まだ手元にない民間資金を充てている。いずれの事業も市が用意できない財源を民間資金で穴埋めする形で、市の厳しい財政事情が影を落としている。

 仮に民間資金が集まらなかった場合、事業はどうなってしまうのか。市財政課は「これから獲得する寄付金で予算を組むことは珍しいことではない」とした上で、「財政が厳しい中での予算編成で、(寄付が)集まらなかった場合は事業の執行を抑制するしかない」と説明する。

 地方財政に詳しい京都産業大の菅原宏太教授は「事業費は原則、市民に説明して税金から集めるべきもの。寄付金という不安定な財源に頼るのは非常に綱渡りなやり方だ」と指摘。「少なくとも民間資金を充当する事業や期間をあらかじめ限定しないと、いつも不安定な財源に頼ることにつながり、持続可能な財政運営にはならない」と話す。