能楽というブルジョアな趣味にひたりながらも、プロレタリア(賃金労働者、無産者)の解放を叫ぶ-。ジレンマを抱え、自らを「ヨタスケの狂言師」とシニカルに呼んだ政治家が近代京都に登場します。

 きっかけは1925年、普通選挙法と治安維持法の施行でした。25歳以上の男子すべてに選挙権が与えられて有権者が激増し、日本の政治文化は大きく変容します。ある政治家の生涯から、近代京都の様相を確かめてみましょう。

 31年7月13日、ある京都市会議員がこの世を去りました。