世界156カ国の中で日本は120位―。スイスのシンクタンク・世界経済フォーラムが公表した国別の男女平等ランキングだ。

 先進7カ国(G7)は言うに及ばず、アジアのフィリピンや韓国、中国、さらにミャンマー(109位)より低いレベルであることを、まず直視する必要がある。

 2006年から毎年公表され、日本は最低水準が続いている。女性参画の制度はつくられても、多くが改善努力にとどまり、実行が伴っていないのが現状だ。

 特に政治の責任が大きい。この分野での男女平等は世界147位に甘んじている。国会に占める女性議員は世界平均で25・5%に向上しているのに、日本は衆議院で9・9%にとどまる。

 選挙で男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党に求める「候補者男女均等法」が3年前に施行された後、初めての衆院選が秋までに行われる。

 与野党とも自ら国会で決めた法律をないがしろにできないはずだ。女性候補を増やすのは責務と言っていい。

 ところが、すでに候補者選びは男性中心に進んでいる。現職優先や選挙区の事情もあり、女性候補が入り込む余地は少ないようだ。そうした壁は厚く、均等法後の前回参院選でも、女性候補が45%を超えたのは野党3党のみで、与党は15%以下だった。

 女性参画をお題目に終わらせないためには、実現するための手だてや仕組みを同時に用意しておくことが本来必要だ。女性が立候補しやすくなる支援策に加えて、候補者選定プロセスの透明化も欠かせない。

 菅義偉首相は既得権打破を信条としているが、ならば男の既得権打破にも踏み込んでもらいたい。女性議員が一向に増えないのなら、一定の議席を女性に割り当てる「クオータ制」の導入を政治議題に乗せるべきだ。

 世界を見渡すと珍しい制度ではない。すでに100カ国以上で採用され、女性議員の比率が上がっているという。

 前の安倍晋三政権は「女性活躍社会」を掲げたが、看板倒れの感は否めない。後を継いだ菅政権も第5次男女共同参画基本計画の策定で「選択的夫婦別姓」を原案から削除しており、女性参画は後退しているように見える。

 男女平等は人権にとどまらず、多様性を認め合う21世紀社会の実現に向けた課題といえる。政治家の意識が問われよう。