新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本経済は二極化が進んでいることが浮き彫りになった。

 日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が、昨年12月から15ポイント上昇のプラス5となった。3四半期連続の改善で、2019年9月以来のプラスとなり、コロナ禍以前の水準に回復した。

 一方、感染症の影響が大きい宿泊・飲食サービスは、1月の緊急事態宣言の再発令を受けて15ポイント落ち込んだ。

 「第4波」の懸念から3府県で「まん延防止等重点措置」が適用されるなどコロナの収束は見通せていない。各業種の状況に合わせた経済政策が求められる。

 大企業製造業は、電気機械や鉄鋼、非鉄金属など幅広い業種で持ち直している。第5世代(5G)移動通信システムなどコロナ後を見据えた投資が増え、電子部品の需要の伸びも後押しした。

 ただ、懸念材料もある。製造業の回復をけん引した自動車産業は、世界的な半導体不足で2月の国内生産が前年同月より1割近く減少している。3月に起きた半導体大手の工場火災も影響し、国内メーカーの減産規模は150万台超になるとの見方もある。楽観はできない。

 大企業非製造業は、テレワーク関連の受注増加を背景に情報サービスが8ポイント伸びた。対個人サービスの下落などで全体では4ポイントの上昇にとどまり、業種間格差が広がった。

 京都、滋賀の非製造業は、8ポイント悪化のマイナス27で、全国のマイナス9と比べて厳しさが目立った。特に宿泊・飲食サービスは、初の緊急事態宣言の解除後だった20年6月調査と同じマイナス80まで下落した。先行きも横ばいか厳しくなる見通しで、継続的な支援が必要だ。

 大企業に比べ、景況感の低い中小企業への目配りが欠かせない。

 中小・個人向けコロナ経済対策の柱だった持続化給付金の申請は2月で締め切られ、民間金融機関による実質無利子・無担保の資金繰り融資も3月末で終了した。支援策の先細りで、倒産や廃業が相次ぐ状況は避けなければならない。

 持続化給付金では不正受給が相次いで発覚している。課題や効果をしっかり検証し、制度を再構築する必要がある。国と各自治体が連携し、支援策や相談体制の拡充、積極的な情報提供に努めてもらいたい。