甲賀市役所

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 滋賀県甲賀市のハラスメント担当の課長が、部下に対する別の課長の不適切な発言を聞きながらその場で注意しなかった上、発言の不適切性を審議する苦情処理委員会に委員の一人として出席していたことが4日分かった。委員会開催も申し立てから4カ月かかっていた。市では元幹部職員のセクハラ調査の長期化が明らかになっており、改めて市の対応の妥当性が問われそうだ。

 市によると、昨年4月上旬、セクハラ問題の心労で病気療養していた女性職員の職場復帰に向け、上司の女性課長と話し合いをした。女性職員が育児を理由に2日間の休暇を申し出ると女性課長は「課にはたくさんの女性がいて、子どもがほしくて得られなかった人、子どものいない人もいる。子育てを前面に休みを出してほしくない」などと発言したという。

 市の説明では、話し合いにはハラスメント担当の男性課長も同席していたが、注意をしなかった。同月、女性職員による申し立てを受け、市は8月に苦情処理委員会を開き、同課長も委員の一人として出席。委員会は「発言は不適切」と結論付けた。女性職員への決定通知は委員会の1カ月半後で、申し立てから半年近くかかった。

 市総務部は「経過については調査中の個別案件にも絡むため言えない。担当の男性課長は関係者として聴取した上での委員会出席であり、中立性は他委員が点検しており、問題ないと判断した」と説明する。

 市では元幹部職員のセクハラ調査が長期化したまま3月末で定年退職した問題が明らかになっている。

■中立性損なう恐れ

 新川達郎同志社大名誉教授(地方自治論)の話 本来はその場の注意で済む話だ。手続きに載せるならば丁寧に行うのは当然だが、時間をかけ過ぎると問題を大きくするのでバランスが重要だ。問題発言時に同席していた課長は職務上の見逃しをした責任があり、委員として出席するのは結論の中立性を損ないかねない。