花見シーズンの週末でにぎわう木屋町通。飲食店などは再び時短営業が要請された(2日夜、京都市中京区)

花見シーズンの週末でにぎわう木屋町通。飲食店などは再び時短営業が要請された(2日夜、京都市中京区)

 新型コロナウイルス感染者の急増を受け、京都府は5日、京都市以南の計16市町村の飲食店などに営業時間を午後9時までに短縮するよう要請した。京都市内では昨年末から続いた時短営業要請が3月22日に解除されたが、2週間で逆戻りした。再三にわたる時短要請に対し、飲食店からは疑問や不満の声が相次ぐ。

 繁華街の四条河原町に近い京都市下京区のイタリア料理店のオーナーシェフの男性(43)は5日、府の要請に応じて店の閉店時間を午後9時に早めた。「うちは午後9時以降に来る常連さんが多い。癒やしやくつろぎの場を作れないのがつらい」とため息をつく。

 コロナ禍のこの1年、同店は席数を減らし、飛沫(ひまつ)を遮るアクリル板や空気清浄機などを導入。大人数のネット予約は断り、大皿での料理提供や飲み放題もやめるなど「できる限りのことはやった」。3月の要請解除後に午前0時まで注文を取る通常営業に戻したが、わずか2週間で短縮営業を再び余儀なくされた。

 「時短効果はあるのか。本当に飲食店だけが感染拡大の原因なのか」。要請を繰り返しても感染の勢いが収まらない状況に、男性は疑問を抱く。

 業界団体からも不安の声が上がる。京都中京料理飲食業組合(中京区)の竹村一彦理事長(80)は「協力金も一部しか受け取っていない店がほとんど。高齢の組合員も多く、手続きが度重なると負担になる」と心配する。

 中京区の木屋町地区でバーを営む女性(35)は「要請解除は時期尚早だったのでは」と話す。3月下旬から観光客を中心に人出が急増したが、客足は戻らないままという。女性は「夜の時短要請を繰り返しているが、正しい対策なのか疑問を持たざるを得ない」と不信感を募らせる。

 府の要請は21日まで。営業時間を午前5時~午後9時、酒類提供は午前11時~午後8時半に限定するよう求める。応じた店には1日4万円の協力金を支払う。