小学6年時にプログラミングコンテストで経済産業大臣賞を受賞した越智さん(滋賀県守山市)

小学6年時にプログラミングコンテストで経済産業大臣賞を受賞した越智さん(滋賀県守山市)

越智さんが開発した点訳ソフト「点体望遠鏡」。点字印刷にも対応している

越智さんが開発した点訳ソフト「点体望遠鏡」。点字印刷にも対応している

 ひらがなやカタカナで書かれた文章を点訳し、3Dプリンターで印刷もできるソフトを滋賀県立守山中1年の越智晃瑛(こうえい)さん(12)が開発した。ユーザーに寄り添った点が評価され、昨年の速野小6年時に「U―22プログラミング・コンテスト」で、最高賞の経済産業大臣賞を受賞した。

 ソフトは、星座を点字に見立て「星座を探すように点字に親しんでもらいたい」との思いで「点体望遠鏡」と命名。画面上の翻訳だけでなく、点字印刷に対応できる仕様になっている。

 越智さんは小学校低学年の頃、自分で自由にコースを作成して楽しむテレビゲームに熱中したという。試しにプログラミング教室に行ってみると、中学生レベルの課題もクリア。「特別な感性がある。型にはまらない方がいい」と指導者からアドバイスされ、その後はインターネットなどを参考に、独学で知識や技術を磨いた。

 点字と関わるきっかけは、授業で視覚障害者について学んだことだった。もともと本を読むのが好きで、点字があると視覚障害者でも自分のペースで読書を楽しめるのに魅力を感じた。現状で点字図書が少ない上、点字化に多くの時間や労力を要することから、プログラミングの技術を生かそうとソフト開発を思い立った。

 開発にあたっては県立視覚障害者センター(滋賀県彦根市)に出向いて実際に触ってもらうなど行動力を発揮しつつ試行錯誤を重ねて完成させた。昨年11月のコンテストで353点の中から、小学生ながら最高賞4点の一つに選ばれた。

 受賞後も「点字のルールに完全に対応していない部分がある」と探求心は衰えない。4月に中学生となったばかりで「友だちとプログラミング部を作りたい」と期待を膨らませる。