「子ども庁」を巡る議論を注視する立民の泉政調会長(8日、国会内)

「子ども庁」を巡る議論を注視する立民の泉政調会長(8日、国会内)

 子ども政策の司令塔となる「子ども庁」の創設を政府・与党が声高に叫び始めたことを受け、旧民主党時代から「子ども家庭省」の創設などを先んじて訴えてきた野党の幹部らが戸惑いを見せている。「思いつきの議論だ」「中身が見えない」。次期衆院選のアピールに利用されかねないとみて、けん制を強めている。

 子ども庁を巡っては菅義偉首相が5日の参院決算委員会で実現への意欲を示した。近く自民党内に二階俊博幹事長をトップとする特別機関を設置する予定だ。

 こうした動きに、立憲民主党はすぐさま反応した。福山哲郎幹事長(参院京都選挙区)は6日の記者会見で、子ども庁について自ら切り出し「選挙が目の前になって突然出てきた。思いつきのような議論をされては困る」と顔をしかめた。

 福山氏は、旧民主党時代から権限や予算も委ねる「子ども家庭省」の設置を訴えている経緯や、2012年に自民党は政権を取り戻して以降、子ども関連の行政一元化に本腰を入れてこなかった点を指摘。「我々が政権を担い、15年に及んで温めてきた子ども家庭省の設置をやらせていただいて結構だ」と、自公への敵対姿勢をあらわにした。

 旧民主党政権下では、保育園を所管する厚生労働省と幼稚園を所管する文部科学省の二重行政の解消を掲げ「幼保一体化」を目指した。一定の成果は挙がったものの業界や省庁の抵抗があり、道半ばで終わった。

 少子化担当の内閣府政務官を務めた立民の泉健太政調会長(衆院京都3区)は8日の会見で、省庁の権益が複雑に絡み合う難しさを挙げ「子ども庁をつくる意味は何なのか。幼稚園と保育所は存置するのか、学童保育はどちらが扱うのか。まだまだ見えていない」と述べた。また過去に「同一労働同一賃金」など先に掲げた政策を与党に取り込まれ、論点を消されたことへの警戒感もにじませた。

 国民民主党の前原誠司代表代行(衆院京都2区)は取材に「省庁の縦割りを排して一元的に行うことの方向性は理解するが、中身が分からない」とする。立民側から唐突との批判が出ていることについては「どこが先に言ったではなく、中身が問題。制度設計を見極め、我々もしっかり提案していきたい」と強調した。