豊島区が無償配布した生理用品など(豊島区提供)

豊島区が無償配布した生理用品など(豊島区提供)

 長引くコロナ禍による不況が非正規雇用の女性を中心に深刻化する中、経済的困窮で生理用品を買えない「生理の貧困」が新たな課題に浮上している。若者の5人に1人が購入に苦労したとの調査結果もあり、国内外で支援の輪が広がる。女性特有の悩みとして多くを語るのはタブー視されてきた生理だが、ジェンダー平等などの観点からの幅広い理解の促進に取り組む動きも出始めている。

 大学生らでつくる任意団体「#みんなの生理」が3月に公表した学生対象の調査によると、過去1年間に経済的理由で生理用品の入手に苦労した人は20%、代替品を使った人は27%に上り、37%が交換頻度を減らしたと回答した。コロナ禍でアルバイトが減った学生もいるとみられ、1袋数百円の生理用品の確保が難しい実態が浮かんだ。

 調査結果は国会で与野党が取り上げ話題となり、政府は内閣府の「地域女性活躍推進交付金」の拡充を決めた。使途に生理用品の提供を加え、自治体が貧困女性を支援するNPO法人などに事業委託した場合に国が最大1125万円を負担する。政府に対策を求めていた公明党の竹内譲政調会長(衆院比例近畿)は「地方議員に働きかけ、交付金を活用するように推進していく」と歓迎した。

 東京都内では豊島や荒川など5特別区が無償配布に乗り出し、多摩市は入手できない児童・生徒向けに学校での配布を始めた。海外でも英スコットランドで無償化法案が昨秋可決され、英国は今年から非課税に。軽減税率の適用も先進国で広がりを見せつつある。

 生理にまつわる議論も活発だ。フィーメル(女性)とテクノロジーを合わせた造語「フェムテック」関連市場の振興を目指す自民党の議員連盟は3月にまとめた政策提言で、生理分野で新たに登場した製品の医薬品医療機器法上の位置づけ明確化などを検討課題とした。議連の木村弥生衆院議員(比例近畿)は「女性が生理で不快な思いをせず健康で働き続けられれば、生産性の向上や経済損失の低減になる」と指摘する。

 生理に対する固定観念を問い直す活動を展開するのは、生理用品も扱う日用品大手のユニ・チャーム(東京)。昨年は生理について学ぶ研修会を社外でも開き、参加企業が生理休暇を導入した成果もあった。広報担当の藤巻尚子さん=京都市出身=は「自分に合ったケアを女性に知ってもらうだけでなく男性にも理解を広げ、互いに働きやすく自分らしく過ごせる社会を実現するため生理のタブーをほぐしていきたい」と話す。