増加する感染者数を抑え込めるのか。対策の実効性が問われる。

 新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、京都市にもコロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置」が適用されることになった。

 東京都、沖縄県の区や市も同時に対象に加えられた。すでに適用されている大阪、兵庫、宮城の各府県と合わせた45市区で、飲食店の時短営業などが進められる。

 大阪では新規感染者の急増が続き、医療が逼迫(ひっぱく)している。京都などはこうした現状をふまえ、重点措置の適用を政府に求めた。

 ただ、重点措置では時短営業を命令できるが、外出自粛や出勤者数抑制の要請など、とれる手段は限られている。

 対策の徹底には住民の協力が欠かせない。行動規制が必要とされる科学的根拠を示し、理解と納得を得る努力が不可欠だ。

 京都市での対策は、飲食店などの営業を午後8時まで(酒類の提供は同7時まで)とし、カラオケなど感染リスクが高いとされる施設の利用自粛を要請する。

 同市では緊急事態宣言が2月末で解除された後も、飲食店の時短営業要請が3月21日まで続いた。

 その後の感染拡大で、今月5日から同市を含む府南部エリアには午後9時までの時短要請がなされた。今回、京都市域での営業がさらに短縮を求められた形だ。

 事業者からは、飲食店ばかりが対象とされることへの不満や、時短効果への疑問も示されている。

 十分な説明と、速やかな財政的支援が必要だ。これまで一律だった店舗への協力金は、事業規模に応じた金額に変更される。丁寧な対応が欠かせない。

 適用を京都市に絞った理由について、西脇隆俊知事は同市が飲食を起因とする感染の中心地だと指摘し、市域の感染を抑えることで府全体への波及を防げるとした。

 ただ、隣接する大阪、兵庫でも過去最多水準で感染者が増加している。こうした地域との人の往来は京都市だけではない。

 府南部の市町村も含め、府県境をまたぐ移動の抑制について、大阪、兵庫両府県とも歩調を合わせた取り組みが必要ではないか。

 今回の重点措置は、5月の大型連休が終わるまで続けられる。行楽などで外出の機会が多くなりがちな時期だけに、危機感を共有できるかが重要だ。

 医療体制確保の状況なども含めた具体的な情報提供に努め、住民の理解を得る姿勢が、府や京都市にはいっそう求められる。