京都地裁(京都市中京区)

京都地裁(京都市中京区)

 昭和初期に京都帝国大(現京都大)の人類学者が、沖縄県今帰仁(なきじん)村にある地元の首長を葬った「百按司(ももじゃな)墓」から遺骨を持ち出した問題で、首長の子孫や沖縄県出身の大学教授らが、遺骨を保管する京大に返還を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、京都地裁(増森珠美裁判長)であった。京大側は県から許可を得た収集で「違法な盗掘ではない」として請求棄却を求めた。

 訴状によると、返還を求めているのは、1929(昭和4)年に京都帝大医学部助教授だった故金関丈夫氏が持ち出した26体(男性15体、女性11体)の遺骨。現在も京大が研究材料として、何ら権限なく占有していると主張する。子孫らは遺骨を管理する民法上の祭祀(さいし)承継者にあたるとして、返還を求めている。

 京大側は答弁書で、収集した一部の遺骨の保管を認めた上で、金関氏の収集は「沖縄県庁や県警察部長を通した手続きを行った」として違法性はないと主張。原告側に対し、遺骨と原告との具体的なつながりを示すよう求めている。

 この日は、同墓に埋葬されたとされる琉球王朝を開いた第一尚氏の子孫の亀谷正子さん(74)が意見陳述し、「先祖の遺骨は90年間、歴史も文化も言葉も異なる、異郷の地に置かれ続け、子孫との交流もできずにいる」と訴えた。