存続の危機を迎えている東舞鶴高校のスクールバス(京都府舞鶴市泉源寺)

存続の危機を迎えている東舞鶴高校のスクールバス(京都府舞鶴市泉源寺)

 京都府舞鶴市泉源寺の東舞鶴高のスクールバスが存続の危機を迎えている。生徒の安全な通学を確保するため、元学校関係者らが寄付を募って運行を始めた府内の公立高校で唯一のスクールバスだが、生徒数の減少や新型コロナウイルス禍で収支が悪化。8月以降の運営見通しが立っておらず、生徒や保護者は継続や協力を求めている。

 クラブ活動を終えた生徒が3月中旬、爽やかな青に塗装されたスクールバスに次々と乗り込んだ。登下校時に約2・5キロ離れた東舞鶴駅や、西舞鶴駅を結び、月によって変動するが昨年度は20~70人の生徒の大切な通学手段になった。保護者らでつくる教育後援会が運営しており、生徒からの利用協力金(月2500~6500円)や、卒業生、地元事業所からの寄付金などでバス会社への運行委託料をまかなっている。

 溝口睦久副校長は「利用する生徒には好評だが、いろいろな人の寄付で運営しているため、赤字になれば埋め合わせの手がなく、財政的に限界がきている。8月以降なくなる可能性もある」と危機感を募らせる。

 バスが運行を始めたのは2013年度。当初は元校長らがNPO法人「せんげん」を立ち上げて5年間、運営した。NPOの理事長を務め、同高校長を歴任した寺田俊男さん(80)は「東舞鶴地域の生徒が通学圏拡大などで西舞鶴高に通うようになり、交通の便が悪い東高は志願者が減って定員割れになった」と振り返る。

 東舞鶴駅からの自転車通学も「夏の炎天下や冬場に通うのは大変で体調の悪い子もいる。市街地から離れた街灯のない所も通り、女子生徒の保護者からも心配の声が上がっていた」と説明する。

 同高の13年度までの募集定員は240人だったが、少子化で段階的に減少して18年度からは160人に。さらに昨年度はコロナ禍による休校で利用が減った。同高と教育後援会は21年度の1学期中の7月末までは運行を続けるが、その後の運営は未定として、生徒に積極的なバス利用を呼び掛けている。

 スクールバスについて府教育委員会は「他の学校との公平性の面から府費負担はしていない。府北部では、バスのダイヤ改正で始業に間に合わなくなった事例もあると聞いている。現状は支援策がない状態だ」と説明する。東舞鶴高近くには京都交通が運行するバス停はあるが登校時間に合う便は少ない。市は「バスのダイヤ改正を働きかけたい」とする。

 同高教育後援会長の男性(57)は「スクールバスは学校の魅力の一つ。生徒のためにも協力を募り、存続したい。行政も目をもっと向けてほしい」と願う。