<京の知恵 しあわせの食 小宮理実>

 こんにちは。料理研究家の小宮理実です。マスクを着けながらのお散歩も心地よく、道端の草花の成長に目を止めてしまいます。少し気温が上がり出すと、なぜか甘酢のあえ物やカリッとした食感の揚げ物が恋しくなります。今回は、お家でつくれる優しい味わいの中華料理です。

 「カリカリサーモンの香味漬け」は、酸っぱさを抑えるため甘酢にだしを加えました。カリッと揚げたサーモンを、たっぷりの香味野菜と一緒に浸しています。

 「万能ニラだれ」は、ニラをメインにして、白ネギ、ショウガのみじん切り、おろしニンニクを加え、砂糖、しょうゆ、ごま油、ピリッとさせるためにトウバンジャンを加えています。これからの季節は冷ややっこや豚しゃぶにもお薦めです。

 この万能ニラだれにぴったりなのが「油淋鶏(ユーリンチー)のニラダレ」です。酒に漬け込んだ鶏もも肉は水分を押さえ、薄力粉をまぶして180度の油で揚げています。食べやすく切り分け、万能ニラだれをかけていただきます。タレにパンチがありますので、鶏肉に下味はあえて付けません。カリカリに揚げて食感も楽しんでください。

 「クラゲとキュウリの甘酢あえ」は母がよく作ってくれたもの。クラゲは熱湯を回しかけて臭みを取ります。この方法が一番手間いらずで、かつ食感も良いようです。

 具だくさんな「八宝菜」は、イカや豚肉のうま味を生かしました。さらにうずら卵、キクラゲを加えています。白菜、ニンジンはさっとごま油で炒め、湯を注ぎ、ザルにあげます。しゃきしゃきとした食感にすることで、家で作る中華料理も洗練感が生まれます。

 長らく作り続けているのが電子レンジで作る「レモンピクルス」です。まずはピクルス液を電子レンジで加熱します。その後、レモンの串切りと、キュウリ、ニンジン、大根、セロリ、ローリエの葉を加え、再び電子レンジで加熱します。具を加熱することで、ピクルス液の浸透力を上げています。その後は冷蔵庫で6時間保存すると、レモンの爽やかさが後を引くお薦めの一品の完成です。

 家庭の中華料理の良さは、少し優しい味わいのような気がします。白いごはんにも晩酌にも合って、お弁当にも入れられる万能さがうれしいですね。今週も気持ちの良い1週間をお過ごしください。(料理講座「幸せ運ぶフクチドリ」主宰)

ホームページ「料理研究家・小宮理実」(https://komiyarimi.com/)


◆小宮理実 こみや・りみ 1971年京都市上京区室町生まれ。おせち料理・行事食研究家。家庭で作る季節の行事食を伝えており、食育活動のほか、商品開発も手掛ける。著書「福を呼ぶ京都 食と暮らし暦」「京のおばんざい四季の味」。