針供養から着想を得た西久松さんの作品(京都府亀岡市古世町・市文化資料館)

針供養から着想を得た西久松さんの作品(京都府亀岡市古世町・市文化資料館)

 京都府亀岡市古世町の市文化資料館が元々は技芸学校だったことに着想を得た作品を、亀岡出身の陶芸家が同資料館に寄贈した。かつて女学生たちが裁縫の上達を祈った針供養の様子を、得意とする磁器で表現している。


 西久松友花さん(28)=京都市南区=で、2月に催された「かめおか霧の芸術祭」に参加。展示に先立って会場となる同資料館を見学した際、前身が亀岡市立女子技芸専門学校の校舎であったことを初めて知った。


 生徒たちが毎年、役目を終えたミシン針などを埋めて供養した針塚が入り口付近にあり、「針一本一本に命の珠(たま)があって今も漂っているよう」と、同芸術祭で展示する作品の制作に取り掛かった。


 作品では、一般的な針供養で使い古した針を差し込む豆腐やこんにゃくを、白っぽい磁器で再現。無数のまち針はニクロム線で、全面にちりばめた裁縫糸は本物の糸に土を付けた上で窯で焼成した。


 同資料館を訪れた西久松さんは「普段から祈りにまつわる作品が多く、針供養や学校の歴史に感動した」と話し、芸術祭終了後も楽しんでほしいと作品を贈った。今後、針塚付近に展示する予定。