紙を細く丸めてこよりを作っていく利用者。「菓子箱折り」に変わる下請け作業として新たに開拓したという(京都市中京区・アトリエとも)

紙を細く丸めてこよりを作っていく利用者。「菓子箱折り」に変わる下請け作業として新たに開拓したという(京都市中京区・アトリエとも)

一つ一つ手作業で作られた短冊用のこより(京都市中京区・アトリエとも)

一つ一つ手作業で作られた短冊用のこより(京都市中京区・アトリエとも)

「アトリエとも」オリジナル商品のクッキー。新型コロナの影響で売り上げは落ち込んだ(京都市中京区・アトリエとも)

「アトリエとも」オリジナル商品のクッキー。新型コロナの影響で売り上げは落ち込んだ(京都市中京区・アトリエとも)

 新型コロナウイルスが流行したこの1年、京都の障害者就労支援施設は、大きなダメージを受けた。観光客の減少で京都土産の菓子箱作りなどの下請け作業が大幅に減り、手作り雑貨や菓子の売れ行きも落ちたためだ。社会との接点だったカフェの営業やイベント出店も影響を受けており、関係者は「障害者は、収入やお客の喜びに触れる機会が減り、張り合いを失っている」と苦境を訴える。

■土産需要激減で仕事ほぼ失う

 作業用ブースに座った男性が、ぬらした紙を細長く丸める作業に黙々と取り組んでいた。京都市中京区の障害者就労支援施設「アトリエとも」が請け負う、七夕の短冊をつるす「こより」作りだ。工賃は1本およそ1円弱という。

 「とも」では、精神障害や知的障害のある27人が、菓子箱折りなどの下請け作業やオリジナル雑貨の製作、併設のカフェでの調理や接客にあたっている。以前は、全体で月30万円強の収入があったという。

 しかし、新型コロナの流行で受注はがた落ちし、昨年3~6月の収入は例年に比べて7~8割減となった。特に八ッ橋などの菓子箱折りは、観光客向けの土産需要が激減したことから、仕事がほぼなくなった。

 オリジナル雑貨を出品する手作り市などのイベントもほぼ中止となり、カフェも売り上げが落ちた。全体の収入は、今も例年の半分程度にとどまっている。

 人との会話が苦手な利用者の30代女性は「手作りの品を買ってもらえるとうれしいし、商品を『おいしかった』と言われると励みになった」と振り返り、「元通りになるのは難しいのかな」と残念そうに話す。

 駒井元竜施設長(52)は「対人関係や外出にしんどさを抱えながらも、何とか頑張って社会参加しようという利用者が多い。モチベーションを維持するためには『来ても仕事がない』ではだめだ」と話し、観光関連以外の下請け業務を模索する。こより作りもその一つだが、「急に仕事が変わると適応できない人もいる」と悩みも打ち明ける。