■議会と意思疎通が必要

 京丹波町の新庁舎整備事業を巡り、これまで町議会が3度にわたり関連事業を否決した。8月末の完成を急ぐ町が議案をチェックする町議会との意思疎通や丁寧な説明を欠いた結果、このような事態を引き起こしたといえる。

 1度目の否決は建材調達費用が高すぎるとの理由だった。2度目は庁舎周辺の植栽への必要性に疑問を感じるという理由。いずれも否決された後、町は同じ内容の案を提案し、議会は可決している。否決前に議会で出た意見を取り入れ、歩み寄る努力を町が怠ったと受け止められても仕方がない。

 3度目は、町が備品購入案を実質的に修正の余地がない開札前日になって議会に示したのが主な否決理由だ。審議すべき議会が審議できない状況にされたのであれば、否決も納得できる。

 一方、今回の修正は議員用の備品を良くし、町職員の備品の質を下げる内容だった。なんとか矛を収めてもらいたい、という町の思惑が透けて見える。

 町の説明不足が生んだ今回の事態。3度目の否決では、落札した企業の仮契約が解除されるなど、影響も生じた。備品を巡り町と議会が「二元代表制」の言葉まで持ち出すのも、理解に苦しむ。「議会がごねて備品が良くなっただけ」との悪印象さえ与える。町には、議員らのバックにいる住民一人一人の姿を思い浮かべ、丁寧に説明する姿勢が求められる。

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 京丹波町役場新庁舎整備事業とは 2005年の町合併以来最大の懸案で、老朽化の著しい現庁舎に代わる新たな拠点として昨年3月に着工。木造一部鉄骨造り2階建て延べ4800平方メートルで、今年8月末完成、10月開庁を予定する。総事業費は32億円。