ラクトスポーツプラザの一部休止を知らせる張り紙。期間は「当面」とされているが、再開のめどはたっていない

ラクトスポーツプラザの一部休止を知らせる張り紙。期間は「当面」とされているが、再開のめどはたっていない

休館となり、明かりが消えて閑散とした「ラクトスポーツプラザ」のフロント(京都市山科区)

休館となり、明かりが消えて閑散とした「ラクトスポーツプラザ」のフロント(京都市山科区)

 京都市山科区の市営地下鉄山科駅前に市が整備した運動施設「ラクト健康・文化館」(ラクトスポーツプラザ)の一部が4月から急きょ休止となり、利用者の間に戸惑いが広がっている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う来館者減が理由だが、毎日のように利用する高齢者やスイミングスクールに通う子どもも多く、「山科のまちづくりを象徴する施設。何とか再開してほしい」との声が上がっている。

 ラクトスポーツプラザは指定管理者による運営が行われており、2019~22年度は、市の関連企業「京都シティ開発」と全国でスポーツ施設の運営を手掛ける「日本リコメンド」(東京)が、「ラクト山科・公共施設コンソーシアム」として運営を受託。市から毎年700万円程度の委託料を受けて運営する契約を結んでいた。

 19年度の収入は1億6千600万円だったが、20年は新型コロナの影響で一部が3月から5月末まで休館。再開後も利用は伸び悩み、20年6~12月までの利用者は前年同期比34%減の約6500人となった。利用者減を受けて市が試算したところ、施設を継続運営するためには市から1億円程度の追加支出が必要との結果が出た。

 試算に基づき、市は「とても負担できない金額」と判断。20年度末で貸し室の「コミュニティルーム」を除く施設運営の休止を決め、2月17日に公表した。
 

 同日に初めて休止を知らされたことで利用者の間には動揺が広がり、24日には有志を募って撤回を求める署名活動を開始した。2週間ほどで1400人以上の署名が集まったという。

 駅前立地で障害者割引があることから高齢者や障害者の利用も多く、「リハビリのために水中ウオークで利用してきた。他施設でも同じように利用できるか不安」「地域の子どもたちや高齢者の健康維持の場だった」など多くの意見も寄せられ、署名活動に携わった渡辺洋子さん(66)=山科区=は「90代で毎日通う人もいて、地域に愛されてきた施設だったのに、いきなり休館と言われても戸惑うばかり」と憤る。

 スポーツプラザを管轄する市市街地整備課では「コロナ禍という誰も予測できない事態が発生し、今後の利用者数の回復も見通せないため、休止を判断した」と経過を説明、「コミュニティルームは継続するので、地域の人たちに活用してほしい」としている。

ラクトスポーツプラザ 京都市が進めた山科駅前再開発に伴う関連事業として1998年10月にオープン。2006年度から指定管理者による運営が行われている。トレーニングジムやスタジオ、プール、貸し室「コミュニティルーム」があり、子ども向けスイミングスクール、スタジオでのヨガやダンスレッスンなどの事業を展開してきた。