京都市内の簡易宿所の開業・廃業施設数の推移

京都市内の簡易宿所の開業・廃業施設数の推移

 京都市内で2020年度に廃業したゲストハウスなどの「簡易宿所」が、19年度から倍増したことが14日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊客の中核だったインバウンド(訪日外国人客)が消失し、経営難に陥る施設が続出した。足元では感染「第4波」が到来し、影響の長期化で廃業の動きがさらに広がる可能性がある。

 市が公表する「旅館業法許可施設の推移」を基に推計したところ、昨年4月~今年2月の11カ月間に廃業した簡易宿所は544軒に上り、19年度の255軒の約2・1倍に達した。

 京都市では近年、インバウンドの拡大を背景に簡易宿所が次々に開業し、15年度から6年で7倍近い約3100軒に急増した。だが施設間の競争激化に加え、トラブル時に駆け付ける管理者を800メートル以内に配置するルールが市条例で昨年4月に義務化され、廃業数は徐々に増加。一方で東京五輪・パラリンピックに伴う訪日客需要の期待感から開発が続き、常に開業数が廃業を上回っていた。

 しかし、昨春から続くコロナ禍で環境は一変。国が始めた観光喚起策「Go To トラベル」の宿泊割引でホテルや高級旅館は稼働率が急回復したが、宿泊料が元々安い簡易宿所は効果が限定的だった。

 コロナ禍で20年度は2月末時点の開業数が333軒にとどまり、統計が残る14年度以降で初めて廃業数が開業数を上回る見込み。3月には市内でゲストハウスなどを80軒近く運営する企業が経営破綻した。京町家を使っている簡易宿所も多く、相次ぐ休廃業は、雇用や景観維持にも影を落とす。