京都帝釋天の奥の院にある「天降石」。昨年9月には法要が営まれた(南丹市八木町船枝)

京都帝釋天の奥の院にある「天降石」。昨年9月には法要が営まれた(南丹市八木町船枝)

堂に覆われていた頃の「天降石」(2019年11月、京都帝釋天提供)

堂に覆われていた頃の「天降石」(2019年11月、京都帝釋天提供)

 京都府南丹市八木町船枝の京都帝釋(たいしゃく)天の「奥の院」に鎮座する巨石「天降(てんこう)石」の周囲が整備され、間近で見られるようになった。新型コロナウイルス禍が続き不安な世情の中、参拝者に安らぎを届けている。

 天降石は境内地の山中にある奥の院のご神体で、高さ約8メートル、幅約5メートル。同帝釋天は780(宝亀11)年に和気清麻呂が創建したとされ、帝釋天がこの石に乗って天から降りてきたと伝わる。大正時代にまとめられた地域誌「丹波誌」に天降石の存在が紹介されている。

 鈴木顕道山主(59)によると、天降石は少なくとも50年以上は木製の堂に覆われていたが、老朽化して危険だったことから2019年11月に堂を解体し、巨石が姿を現した。さらに、昨年9月までに「奥の院礼拝所」として整備。足場をコンクリートで固めたほか、以前からあったほこらを修復し、石にはしめ縄を巻いた。

 同帝釋天はさまざまな願い事がかなうとされ、庚申(こうしん)信仰の拠点や参道に108個の鐘が連なる「願いの鐘」で知られる。鈴木山主は「コロナ禍や自然災害で世の中は不安が多い。この天降石から少しでもパワーを届けられたら」と、新たなスポットとして期待を込める。5月9日には大祭があり、コロナ退散などの祈禱(きとう)が営まれる。