ガンダーラからやってきた

 2011年4月の開館以来、新鮮な切り口で仏教を紹介してきた龍谷ミュージアムの10周年展。館蔵品を中心に約120点で、仏教の多彩な広がりを見せる。

仏立像 ガンダーラ 2~3世紀

 展示は4章構成。1章は仏の姿の表現を探る。仏像とは各時代・地域の理想の人間像でもある。気候や風土、文化によって顔立ちや衣服の表現は異なる。日本と比べると、ガンダーラ地方の仏像は表情も体つきも生身の人間のよう。容貌はギリシャやローマに近く、若々しく端正に見える。

仏伝浮彫「三迦葉の帰仏」 ガンダーラ 2~3世紀

 2章は仏教を伝える物語に着目した。釈迦(しゃか)の生涯の各場面を石刻したガンダーラ地方の仏伝浮彫(ぶつでんうきぼり)を初公開作品も含めて多数展示。よく知られた図像が多く、例えば手塚治虫の「ブッダ」を読んだ人なら何の場面かすぐ分かりそうだ。

絵因果経(勝利寺本)断簡 鎌倉時代 13~14世紀

 日本の絵因果経(えいんがきょう)や地獄を表現した十王図も並ぶ。仏伝浮彫と比較すると、日本美術の平面ぶりが実感できるのも面白い。館蔵の当麻曼荼羅(たいままんだら)は両端に、中将姫による原本の曼荼羅の成立伝説を表現する。

当麻曼荼羅 南北朝時代 14世紀
獅子像 ガンダーラ 2~4世紀

 3章はヒンズー教や日本の神道など、既存の宗教と仏教がどう交わっていったかを紹介する。4章は「教えを継ぐもの」をテーマに、釈迦の十大弟子や法統を伝える「光明本尊」(龍谷大図書館蔵)を通して、現代まで続く仏教の流れを考える。

仏頭部 ガンダーラ(伝タルベラ) 4~5世紀
太陽神像 マトゥラー 4~6世紀

 地域を限定せず、広く東西のものを展示した。館は「仏教の多様性を楽しんでほしい」としている。展示替えあり。

ガンダーラ語賢劫経(林寺厳州コレクション) バーミヤーン 3世紀
阿弥陀如来立像(善光寺式) 鎌倉時代 13~14世紀

掲載作品はすべて龍谷ミュージアム蔵



【会期】4月17日(土)~6月13日(日)。月曜と5月6日(木)は休館。5月3日(月・祝)は開館 ※4月27日(火)から当面の間 臨時休館
【開館時間】午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで)
【会場】龍谷大龍谷ミュージアム(京都市下京区堀川通正面下ル、西本願寺前)
【入館料】一般900(700)円、高大生500(300)円、小中生200(100)円。かっこ内は20人以上の団体料金
【主催】龍谷大龍谷ミュージアム、京都新聞、産経新聞社
※本展に限り、展示室内での写真撮影が可能