訴えを退けた判決について思いを述べる原告の山田さん(京都市中京区)

訴えを退けた判決について思いを述べる原告の山田さん(京都市中京区)

 「裁判所が弱者の味方でないなら、どこに救いを求めたらよいのか」。16日の京都地裁判決後、原告の山田真有さん(36)は今後も問題提起をしていく意向を示し、「家庭のかたちにこだわるのでなく、親が安心して子育てできる環境を整えてほしい」と訴えた。

 山田さんは4人の子を持つひとり親で児童扶養手当を受けていたところ、線維筋痛症などを患い、2017年4月に障害基礎年金の給付が決まった。しかし18年1月、年金受給を理由に京都府から児童扶養手当の支給停止処分を受けた。

 障害基礎年金を受給するひとり親が児童扶養手当を受け取れなかった以前の規定は不平等で違憲として、府に支給停止処分の取り消しを求め提訴したが、京都地裁判決は請求を棄却した。

 当時の児童扶養手当法などでは、ひとり親の場合、障害基礎年金で子ども加算分を含む合計額と、児童扶養手当の額を比較して高い方が支給されたため、事実上、手当を受け取れなかった。一方、配偶者がいる場合は、同年金の子ども加算分のみとの比較で、差額を手当として受け取れた。

 児童扶養手当法は2020年に改正され、今年3月分から、ひとり親でも年金の子ども加算分のみと比較した差額を手当として受給できるようになった。

 弁護団長の田中俊弁護士は判決について、配偶者の有無で手当の支給に格差が生じていた問題に踏み込んで検討していないと非難。「行政側の言い分をなぞっただけで、結論ありきだったのではないか。失望と怒りを禁じ得ない」と語気を強めた。

 2019年7月の提訴時会見によると、山田さん女性は線維筋痛症を発症してから、体が思うように動かない。座っているのがつらく、普段はほとんど寝たきりの状態だ。

 化学物質過敏症もあり、「自立したいが、雇用してくれる企業がない」。月々の生活費は10万円に満たず、エアコンを買えず、壊れた冷蔵庫も買い換えられない。テレビや電子レンジなどもない。子どもを優先し、食費を抑えるため自分は1日1食だ。我慢してくれる子どもたちを思うと胸が痛い。「どのような環境であっても、子どもの人権は正しく守られるべき。家庭単位ではなく、子ども個人の福祉給付金として考えてほしい」と話していた。