新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するワクチン接種が少しずつ進む一方、治療の決め手となる「特効薬」はまだ開発されていない。その中で最前線の医師たちはどのように治療法を模索してきたのだろうか。感染拡大当初から治療に当たってきた京都府立医科大の笠松悠助教に聞いた。(聞き手・広瀬一隆)

 ―現状、どのような治療法がスタンダードか。

 「血中酸素濃度が下がって酸素吸入が必要となると、まずは治療薬候補のアビガンを投与する。病状が進行すれば新型コロナに対する抗ウイルス薬として承認されたレムデシビル、抗炎症作用のあるステロイド、血栓予防に抗凝固薬を投与する流れとなっている。ただ患者によって症状は多様で、当初は比較的症状が軽くても血栓ができて重篤化する場合もあれば、何もしなくても回復する患者もいる。本当に治療の効果があるのか、見極めにくい」

 -アビガンについては、有効性の判断が難しいとして、厚生労働省が承認を見送っている。

 「アビガンを使用する際は、患者の同意を……