女性が地方政治へ参画する道はどうすれば拡大できるのか。

 地方議会で「女性議員ゼロ」は約2割に達する。議員全体の女性比率はわずか12・9%(内閣府調べ、2017年末時点)にとどまっている。

 昨年5月、国と地方の議員選挙で男女の候補者数ができる限り均等になるよう求める「政治分野の男女共同参画推進法」が成立した。しかし、女性候補擁立の動きは鈍い。

 地方議会ではなり手不足の問題も重なり、女性が政治の場から遠ざけられる傾向にある。

 暮らしに身近な問題を議論する場で男女の不均衡が続くのは好ましくない。女性が議員活動していくうえで妨げになっている要因を解消し、参画を後押しできるよう機運を高めたい。

 一昨年12月、熊本市議会の女性市議が乳児を連れて議場に入り、議事進行を遅らせたとして厳重注意を受けた。市議には手順を踏んでないとの批判もあったが、議会の慣例やルールが子育て中の議員を想定していないことも浮き彫りにした。

 行政が主催する行事では珍しくなくなった子どもの一時預かりがなぜ議会にないのか、と素朴な疑問もわいてくる。他の議会では議場に飲み物が持ち込めず、苦しい思いを経験した妊娠中の議員もいた。

 議場だけではない。議員には法的な産前産後休業や育児休業制度が適用されず、子どもを抱えての活動は制約されがちだ。

 内閣府が女性地方議員4170人に行った調査では、初当選時に子どもがいた人は81・6%にのぼり、このうち未就学児がいた人は10・4%だった。

 子育てを経験した女性が政治の場に挑んでいる実情もうかがえる。こうした議員が活動しにくいままでは、多様な意見を施策に反映させることは難しい。議会の慣例やルールを再点検したうえで、議会の休日・夜間開催など柔軟な工夫も求めたい。

 政治分野の男女共同参画推進法は、政党や政治団体に女性候補者の数値目標設定も促す。

 夏の参院選に向け、立憲民主党は比例代表で4割以上、国民民主党は全体の3割、共産党は5割を掲げている。

 しかし、与党の自民、公明両党は、数値目標の設定を見送る方針だ。現職の男性が多く、対応が難しいためだという。

 政府が8日に閣議決定した女性活躍推進法改正案は、女性の登用、昇進に関する数値目標策定義務を中小企業にも拡大するよう求める。民間には数値目標を義務づけながら自らに適用しないのでは、言行不一致と批判されても仕方ない。

 ただ、地方議員は無所属で活動する人が多い。政党が数値目標を掲げても、その対象外に置かれるケースが少なくない。

 仕事や家庭を持つ女性が、無理なく議員活動できる環境づくりを、議会自らがつくりあげていかなくてはならない。

 4月の都道府県議選立候補予想者のうち女性の割合は10・7%(昨年末時点)で、前回15年と同水準にとどまっている。

 働き方や価値観が大きく変化する中、時代にふさわしい議会への改革を急ぐ必要がある。