東日本大震災から1年半後の被災地を描いた絵巻物の展示会に向け、作品に込めた思いを語る渡邉さん(右)=京都市上京区・興聖寺

東日本大震災から1年半後の被災地を描いた絵巻物の展示会に向け、作品に込めた思いを語る渡邉さん(右)=京都市上京区・興聖寺

 東日本大震災から1年半後の被災地を描いた絵巻物の展示会が9日、京都市上京区の興聖寺で開かれている。11日で震災から8年。作者は「震災を過去のこととして捉えるのではなく、現在の自分事として考えてほしい」と話している。

 作者は、主に風景を描いている洋画家の渡邉敬介さん=上京区。震災後、画家として何かできることはないかと考え、2012年9月に被災地を訪問。10日間かけて東北各地を巡り、復興に向けて歩み出す被災者の姿をありのまま描くことを思い立った。

 作品は長さ100メートル、幅75センチ。4部構成で、宮城県気仙沼市の漁港で働く漁師や、津波で大破した缶詰工場で解体作業に取りかかる作業員、児童館で遊ぶ子どもたちの姿を描いた。渡邉さんは「『絵を描いて何になる』と非難されたこともあったが、私にできることは絵を描くことしかなかった。災害にめげずに踏ん張る被害者のたくましさをつかみ取ってほしい」と語る。

 興聖寺の住職望月宏済さん(45)は「静謐(せいひつ)な環境で亡くなられた方への祈りをささげるひとときにもなれば」と話している。

 17日まで。興聖寺は上京区堀川通寺之内上ル。正午~午後7時(17日は4時)、無料。16日午後4時半から仙台市在住の震災の語り部遠藤園子さんによるクリスタルボウルの演奏会などを催す。