世界遺産・仁和寺(京都市右京区)前のホテル建設計画が、上質な宿泊施設を誘致する市の制度で適用第1号となった。制度の創設は新型コロナウイルスが流行する前で、観光需要を取り巻く状況は大きく変わっている。建築基準法の特例許可の活用を促す制度だけに、市は制度の意義や必要性を改めて丁寧に説明する必要がある。

 市は2016年、観光客の増加に宿泊施設の供給が追いつかないため、客室数を20年までに1万室増やして4万室にする目標を掲げた。ところが予想を上回るホテルの建設ラッシュで客室数は約5万3千室(19年度末時点)に達し、過剰供給と言える状況になった。

 市は一転して宿泊施設を抑制する方向にかじを切ったが、17年に設けた上質な宿泊施設の誘致制度はコロナ禍の今も堅持したままだ。ただ市が定める「上質」の定義とは高価格であることや豪華さではなく、「京都経済や地域の活性化に資すること」。ホテルを建設する事業者に……