京都国際映画祭や市営地下鉄をPRするミキのツイート

京都国際映画祭や市営地下鉄をPRするミキのツイート

 京都市が、市の施策を吉本興業に所属する地元出身の漫才コンビにツイッターでPRしてもらうため、ツイート(つぶやき)1回につき、50万円を支払う契約を2018年度に同社と結んでいたことが京都新聞社の取材で27日までに分かった。ツイートに市の広告であることを示す記述はなく、コンビが自発的につぶやいているようにもみえる。口コミを装った広告「ステルスマーケティング(ステマ)」が社会問題化する中、識者は自治体広報として「不適切」と指摘する。

 市によると、ツイートにイベントPRや公共交通の利用促進などの趣旨を盛り込むよう吉本興業側へ要請したという。ツイートの末尾には「#京都市盛り上げ隊」「#京都市ふるさと納税」などのハッシュタグ(検索目印)があり、これをクリックすると同じタグがあるツイートが見られる仕組みになっていた。
 市が報道発表した資料には、盛り上げ隊の役割としてポスターや「市民しんぶん」への登場、イベントでのステージ出演などはあったが、ツイッターの発信は含まれていなかった。
 日本広告審査機構(JARO)の審査委員を務める天野恵美子・関東学院大准教授は「広告主が行政だと読み手が気付いてしまうと、発信内容に共感が生まれず拡散されにくくなるかもしれないが、公金が投入される以上はより公明正大な手法が求められる。アンフェアな広告だ」と話す。
 市市長公室はツイートで広告と明示していない点について「ツイートを市の委託だと理解できる人は少ないだろうが、隠そうという意図はない。必ずしも(市が広告主と)明記しなければいけないという意識はない」と説明する。
 こうした認識について山口浩・駒澤大教授(経営学)はステマに明確な基準はなく、グレーゾーンの領域が広いと断った上で「少なくとも、ツイートと広告主との関係性が受け手に伝わっていないと市が認識しているのであれば、それはステマだという自覚を持つべき」と指摘。「情報の受け手が『だまされた』と思う可能性のある広告は倫理的にふさわしくない。誤解を招かないための努力が必要」と強調する。