京都大学

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 2011年の東日本大震災の翌日に起きた長野県北部地震の前兆として、断層がゆっくり滑る現象「スロースリップ」を検出できたと京都大などが発表した。巨大地震が遠く離れた内陸部の地震活動を誘発した可能性を示し、今後の発生予測につながるという。英科学誌サイエンティフィック・リポーツにこのほど掲載された。


 東日本大震災後、国内では長野県北部地震などマグニチュード(M)6クラスの内陸地震が複数発生した。関連性が指摘される一方で東日本大震災のような海溝の「プレート間地震」が、内陸部の地震活動を活性化させるメカニズムは詳しく分かっていなかった。


 京大大学院理学研究科のエネスク・ボグダン准教授らのグループは、防災科学技術研究所が設置した長野県北部地震の震源付近にある観測網から地震波形データを収集。解析したところ、本震前にあった285回分の微小な揺れを検出することに成功した。さらに発生地点や時間などを調べた結果、東日本大震災の直後から揺れが活性化し、スロースリップを引き起こして本震につながった可能性があることが分かった。


 エネスク准教授は「東日本大震災がこうした微小地震を誘発するきっかけになったとみられる。今後、巨大地震後に発生する内陸地震の予測に役立てられるのでないか」と話している。