京都ゆかりの吉野彰さんの受賞で盛り上がった今年のノーベル賞。毎年注目を集める受賞者発表が終わると、来月は同賞を参考に始まった「京都賞」の授賞式が京都市内で催される▼今年で35回目。国内外の有識者から候補の推薦が寄せられ、審査は19回に及ぶ。受賞者は111人に上り、うち10人がその後ノーベル賞を受賞した▼日本人では2012年の医学生理学賞の山中伸弥さんから2年ごとにノーベル賞の受賞者が出ている。京都賞に対する国際的な評価が高い証しだ▼ただ関係者から「知名度を上げたい」との声が聞かれる。ノーベル賞のように世間の関心を高めたいとの思いが強い。そのノーベル賞には紆余(うよ)曲折があった▼ノーベルが賞の創設を記した遺書に一部の親族が反発。受賞者の国籍不問にも「非愛国的だ」と批判が起こり、死去から第1回の実施まで約5年を要した。その後も基金の運用資産の減少に悩まされたが、120年近い歴史を刻んできたという(「ノーベル賞117年の記録」)▼京都では長い年月をかけ受け継ぐことに価値を認める。26日にあった京都三大祭りの時代祭は残る二つの葵祭や祇園祭に比べて歴史は浅いが、市民生活の一部になっている。京都賞も歴史を重ねるごとに、多くの人から愛される賞になるに違いない。