京都を舞台にした森見登美彦(42)=京都大出=の青春ファンタジー小説「夜は短し歩けよ乙女」が、新たに舞台化される。天真爛漫(らんまん)な女子大生「黒髪の乙女」に恋心を抱くも、一向に進展させられない「先輩」役で主演するのは、上方歌舞伎のホープ・中村壱(かず)太郎(30)。脚本・演出は、京都の人気劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠(41)=同志社大出=が担う。上演は6月、東京と大阪の劇場になるが、壱太郎は「京都のまちの空気感、匂(にお)いを大切にしたい」と誓う。=敬称略

 今年3月、南座(東山区)の花形歌舞伎で座頭を務めた壱太郎。「義経千本桜」の静御前を舞い、千秋楽で異例のカーテンコールがわき起こるなど評判を取った。そんな華やかさとは一転、今回は、京都で下宿生活を送るさえない男子学生の役になる。

 歌舞伎では近年、女形での出演がほとんどだけに「黒髪の乙女役をやらせて頂けるのかと最初は本気で思いました。アニメ映画版を以前に見たことがあって、自分なら、どう演じるかイメージが浮かんだので」。現代劇では野田秀樹作「三代目、りちゃあど」(2016年)で主演経験はあるが、「今を生きる男性の役は初めて。まったく新しい感覚」に挑む。

<物語は、木屋町・先斗町の一夜から始まる。大学のクラブの後輩である黒髪の乙女の……