8年前の福島第1原発事故で大量の放射性物質を含む雲が各地に流れた。自分たちが暮らす土地の状況を知ろうと市民が土壌の測定を続け、「図説・17都県放射能測定マップ」として昨年11月に発行した▼市民放射能測定所のネットワーク「みんなのデータサイト」が2014年から3年間、青森県から長野県まで17都県で測定して事故直後の放射性物質量を推定した。広範囲に降り注いだことが分かる▼食品の状況もまとめた。野生鳥獣肉やキノコなどの汚染は深刻だ。生産者の努力も紹介する。福島県産の桃は樹皮をはがすなど内部被ばくの危険もある作業で放射性物質が低減された▼ベラルーシ政府チェルノブイリ省の「土壌汚染アトラス」を参考にしたという。チェルノブイリ原発事故直後から70年後の推定まで10年ごとに汚染状況が色分けされ、いつ古里に帰れるのか分かる▼17都県マップは100年後の地図もある。福島県外も健康被害を警告する黄色やオレンジ、赤の地点がある。影響は長期化する▼メンバーの大沼淳一さんは「関西は若狭湾沿岸に原発があり、再稼働もしている。マップから読み取れる深刻な汚染が降りかかるかもしれません」とし、「避難者も多くいます。支えになってほしい」と訴える。マップに込めた思いを受け止めたい。