新型コロナウイルス感染の再拡大を受け、大阪府、兵庫県に続き京都府も緊急事態宣言の発令を政府に要請した。

 隣接し合う3府県は人の行き来が多く、抑制へ足並みをそろえることには意義がある。協調した対策を取ることで、医療崩壊を食い止めねばならない。

 京都府はこれまで、3度目となる宣言の要請について、まん延防止等重点措置の効果を見極めたいと慎重な姿勢を示していた。だが、新規感染者は連日100人以上で歯止めがかからない状態だった。

 府内では、コロナ病床の使用率が5割を超え、変異株や50代以下の重症者増加などの懸念も強まっている。

 西脇隆俊知事が「人の流れを抑えるさらに強い対策が必要だ」として方針転換したのは、やむを得ない判断と言えよう。

 問われるのは、宣言下で取り組む具体的な中身だ。大阪はテーマパークや大型商業施設の休業に加え、飲食店の土日祝日休業と酒類提供の全面自粛などの要請を案として示している。京都や兵庫も、商業施設の時短や休業などの制限を検討するという。

 3府県である程度共通した措置を取らなければ、買い物や飲食などで府県境をまたぐ住民の移動を起こしかねない。滋賀や奈良、和歌山との広域的な連携も大切だ。感染防止の実効性を高められるよう自治体間で協議してほしい。

 政府はきょうの対策本部会議で宣言の発令を決める方向だが、対応の遅さが気になる。

 大阪が要請したのは19日だったが、この間、政府側は「速やかに検討する」などと繰り返して4日間も費やした。動きが鈍いと言わざるを得ない。

 背景には、百貨店の休業などを含む自治体側の提案を行き過ぎだと捉える意見があるようだ。休業などの網を幅広く掛けたい自治体と経済活動を重視する政府との綱引きは、初めて宣言が出された昨春と重なる。

 しかし、既に1年以上が経過し、宣言は2回出されている。政府は、これまでの対策の検証や感染再拡大に備えた準備を怠っていたのではないか。危機感が欠如していると言われても仕方がない。

 長引く自粛生活で、住民のコロナへの「慣れ」が指摘される。ワクチン供給も当初予定より遅れている。大型連休を前に、医療の危機的状況を説明し、宣言への理解と協力を得る姿勢をしっかりと示すべきだ。