「声なき声を聞いた市民の勝利だ」。4月25日に投開票された滋賀県の彦根市長選は新人の和田裕行さん(50)が前職の獅山向洋さん(80)、現職の大久保貴さん(57)を破り、3度目の挑戦で初当選を果たした。

 和田さんは自宅兼会社がある高宮町の事務所で支持者30人と結果を待った。午後10時半すぎ、当確の報が入ると、拍手が鳴り響き、選挙を支えた若手市議らと握手代わりに拳を突き合わせた。万歳三唱し「しがらみゼロで(団体などの)推薦を受けず、政策を訴えてきた。必ず勝てると思ってやってきた。まさに市民の勝利」と喜びをかみしめた。

 支持政党や団体を持たない草の根選挙に徹した。趣味がDIYという和田さん自身が改装した倉庫を事務所に構えた。選挙カーは「井伊の赤備え」にちなんで赤を基調に欧風のデザインに仕立て、選挙期間は動画投稿サイト「ユーチューブ」で1日の動きを毎日配信するなどして、徐々に知名度を高めた。

 前回の立候補は12年前。当時も民間の経営感覚で、疲弊する地域経済の活性化を訴えた。「ICT(情報通信技術)を通じて財政再建や地域活性化に取り組む。今すぐできる政策を進めたい」と口元を引き締めた。

◇「申し訳ない」敗れた現職の大久保氏
 「応援してくれた人には申し訳ない。市の財政が持続可能なことを訴えたが、十分説明できなかった」。3期目を目指した大久保さんの……