ヒトに関する新しい生物学を研究する意気込みを語る斎藤教授(左)=京都市左京区・京都大

ヒトに関する新しい生物学を研究する意気込みを語る斎藤教授(左)=京都市左京区・京都大

 ヒトやサル、マウスなど生物種の違いについて遺伝子解析や数学、生命倫理など多分野を横断して究明する「ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)」が京都大で始動し、拠点長の斎藤通紀教授が11日、「先進的なヒト生物学を推し進める」と抱負を語った。京都市左京区の京都大医学部内に拠点を設け、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った研究も行う。

 世界から一級の研究者が集う環境形成を目的とした文科省の「世界トップレベル研究拠点プログラム」に採択され、昨年から10年間の予定で稼働し始めた。主任研究者は約20人の予定でドイツやカナダといった外国に拠点のある研究者も加わる。

 斎藤教授によると、生命科学の研究ではマウスが哺乳類の「モデル生物」として研究に多く使われる。しかしマウスとヒトでは、薬剤の効果などに違いがある上、こうした差が遺伝子のどのような働き方に由来するのか、未解明な部分が多いという。

 同拠点では、数学的な知見を生かして遺伝子解析などを行い、マウスとカニクイザル、ヒトの間で比較。ヒトの疾患モデルをカニクイザルで作るなど、難病の治療法開発につなげる。また、ヒトiPS細胞やサルを使った研究をする上で必要な倫理も考察する。

 京大で会見した斎藤教授は「多分野融合という新たな研究のあり方を探るASHBiを、大学改革のフラッグシップにしたい」と話した。