オンラインによる教職員研修の効果的な実践方法を指導主事が学んだ「スキルアップ研修会」(京都市下京区・市総合教育センター)

オンラインによる教職員研修の効果的な実践方法を指導主事が学んだ「スキルアップ研修会」(京都市下京区・市総合教育センター)

授業でタイピングに挑戦する児童(4月15日、京都市中京区・朱雀第四小)

授業でタイピングに挑戦する児童(4月15日、京都市中京区・朱雀第四小)

 小中学生に1人1台のコンピューター端末を配り、授業などで活用する新たなスタイルの学校教育が4月から始まっている。どんな授業をしているの? 子どもたちの反応は? 「教育のデジタル元年」を迎えた教室を取材した。

 朱雀第四小(京都市中京区)で行われた「学級活動」の時間。5年生の児童全員の机に、液晶画面とキーボードが着脱できる端末が置かれていた。教室の大型画面に、担任の小川恭平教諭が自身の端末でタイピングした「小川先生のイメージは?」という文字を映し出す。「みんなもこの文字を打った後、それぞれが思う先生のイメージを箇条書きで自由に打ってみてください」。

 児童が一斉にタイピングを始めた。慣れた様子で文字を入力し、予測変換候補機能を使いこなす子もいれば、「が、ってどう打つん?」と隣に尋ねる子も。端末を扱うスキルはさまざまだ。

 ただ全体として、児童は新たな教材である端末に興味を持ち集中して課題に取り組んでいた。女子児童(10)は「保存方法を覚えるのが難しそうだけど、これから使うのが楽しみ」と笑顔で振り返った。

 端末の活用は、特別支援教育の視点からも期待されている。昨年度の6年生は端末の先行導入で昨年度のうちに使った経験があり、当時6年の担任だった小川教諭は、ある課題提出の方法を手書きとタイピングから児童に自由に選ばせた。半数がタイピングを選び、中には書くことが苦手な児童も含まれていたという。小川教諭は「支援が必要な子にとって、端末は学習を助けてくれるとても有用なツールだと感じた」する一方で、「授業全体で使い過ぎると対話的な学びにならない可能性もある。どう使えば効果的かは試行錯誤だ」と話す。

 小学校には、1~6年の幅広い発達段階に対応した端末の活用が求められる。京都市教育委員会によると、市立小では低学年は写真を撮ったりタッチペンで絵を描いたりと、機器に慣れ親しむ使用がメインとなる。学習で本格活用するのは3年の2学期以降となる見込みで、話し合いで出た意見を書き込んで共有する▽検索機能を使って調べ学習をする▽実験や観察の結果をグラフ化してリポートにまとめる-など、学習の高度化に伴い使い方の幅を広げる。ログインパスワードも低学年は数字のみとし、中、高学年では段階的にアルファベットや大文字を入れた複雑なものにしてセキュリティーを強化する。

■教員研修にもリモート導入

 小中学校で端末整備が完了し、子どもたちがICT(情報通信技術)を使って学ぶ機会が増える中、教職員たちもオンラインで研修を受ける機会が増えている。教職員の「先生役」となる指導主事たちは自身が勉強会に参加するなどして、スムーズにオンライン研修を進めるための技術を身につけている。

 京都市教育委員会は4月、指導主事を対象とした勉強会を開催し、約20人が参加した。教職員にオンライン研修を実施する際、どのように振る舞えば伝わりやすいかなどを、コミュニケーションスキルに詳しい民間の講師が解説した。

 講師は「参加メンバーの言葉の引き出しやすさは、リアルでもリモートでも変わらない」とし、オンライン研修のポイントとして「相手が安心して発言できる環境をつくること。相手の反応や表情をしっかり読み取り、相手からの投げ掛けに対してはちゃんと反応を示すこと」と強調した。

 またディスカッションをする場合は「時間や行動など、最初にルールを決めておく。リモートは結論をまとめる議論には向かないので、司会役の場合は意見をまとめず、相づちと進行に徹するのがよい」と助言した。