競り売りのため市場に並べられた「丹後ぐじ」(京都府宮津市鶴賀・府漁協卸売市場)

競り売りのため市場に並べられた「丹後ぐじ」(京都府宮津市鶴賀・府漁協卸売市場)

 京都府のブランド魚「丹後ぐじ」がこのほど、初めて府内の地方卸売市場で競りにかけられた。これまで高級魚として東京や大阪などの中央市場に出荷してきたが、新型コロナウイルスの影響で出荷が激減。地元で消費してもらおうと漁師が府漁業協同組合にかけ合い実現した。

 丹後ぐじは、府内の漁港で水揚げされた500グラム以上のアカアマダイ。「京のブランド産品」として登録されており、出荷まで厳しい規約に沿った品質管理を行う。一本釣りとはえ縄漁法によって漁獲され、専用のタグが取り付けられる。上品な味が特徴の高級魚で、京都市内の料亭などで出されている。

 新型コロナウイルス感染拡大で昨年4月ごろから都市部での需要が落ち込み、丹後ぐじの出荷は激減した。一方、規約では、丹後ぐじは豊洲市場(東京都江東区)などの中央市場以外に出荷できない。そのため基準を満たしたものでも、地元に出荷する場合は通常のアカアマダイとして競りにかけられ、丹後ぐじとして出荷するのと比べ半値以下で取引される厳しい状況が続いていた。

 宮津市と伊根町の漁師が3月に「丹後グジ延縄組合」を結成。地元にも丹後ぐじとして出荷できるようにしようと、府漁協と規約変更の協議を行い、府漁協の市場での競り売りが可能になった。

 初めて競りにかけられた4月26日、宮津市鶴賀の府漁協卸売市場には約20匹の鮮やかな丹後ぐじが並び、地元の水産会社などが競り落とした。同組合の代表吉田岳弘さん(46)は「観光地の知名度を生かして、丹後から丹後ぐじをPRしていきたい」と話していた。