端午の節句のためにしつらえた、島田耕園さんの御所人形 (c)スタジオバウ 久保田康夫

<京の知恵 しあわせの食 小宮理実>

 5月5日は「端午の節句」。男の子の健やかなる成長を願い、しょうぶ湯につかったり、粽(ちまき)や柏(かしわ)餅をいただきます。香りのあるしょうぶの葉や蓬(よもぎ)の葉は、邪気をはらうと言われています。お料理も縁起の良い献立を考えてみました。「おめでたい」の語呂あわせからも愛される「鯛(たい)」は今が旬。京都ではお鯛さんと呼ばれ、この時期は特に桜鯛が好まれます。せっかくですので、兜(かぶと)にちなんで、鯛のかぶと煮にしてみました。人の頭(かしら)に立つ立派な人になりますようにとの願いを込めています。そして、すくすく育ちますようにと、たけのこごはんを。男の子の節句なので、たけのこも気持ち大きめに切っています。もし、たけのこごはんが残ったら、京都の始末の心で転用料理です。春巻きの具として活用しました。こんがりきつね色に揚げたら、お弁当の一品へ大変身です。

 紅色が美しい桜海老(えび)と新玉ねぎを使ったかきあげも。淡い色合いが食卓を彩ります。汁物は、のどごしの良い絹ごし豆腐を使ったかきたま汁でほっこりしましょう。体を考えてタンパク質も強化。高野豆腐を一度、素揚げにしてから煮た一品はこくが加わり、お箸(はし)が進む味わいに仕上げています。空豆や木の芽など、季節の野菜を添えると節句料理としてお楽しみいただけます。

 おいしいものは明日への活力。すてきな時間を過ごしませんか。(料理講座「幸せ運ぶフクチドリ」主宰)

ホームページ「料理研究家・小宮理実」(https://komiyarimi.com/)


◆小宮理実 こみや・りみ 1971年京都市上京区室町生まれ。おせち料理・行事食研究家。家庭で作る季節の行事食を伝えており、食育活動のほか、商品開発も手掛ける。著書「福を呼ぶ京都 食と暮らし暦」「京のおばんざい四季の味」。