コンピューター端末を使った撮影や保存の方法を実践で学ぶ生徒たち。複数の教員がサポートに入り、きめ細かい指導をしていた(4月14日、京都市中京区・朱雀中)

コンピューター端末を使った撮影や保存の方法を実践で学ぶ生徒たち。複数の教員がサポートに入り、きめ細かい指導をしていた(4月14日、京都市中京区・朱雀中)

コンピューター端末を保管庫から取り出す朱雀中の生徒

コンピューター端末を保管庫から取り出す朱雀中の生徒

 全ての小中学生にコンピューター端末を配布し、ICT(情報通信技術)を授業や学習で活用する新たな取り組みが、4月から全国で始まった。プリントなど紙による学びを中心にしてきた教育現場は大きな転換期を迎えた。「令和の文房具」とも言われる端末をどのように指導に生かすか、教員は試行錯誤している。

 京都市中京区の朱雀中で4月14日、1年生が記録写真の撮影と保存の方法を学ぶ授業を受けていた。授業で端末を使うのはまだ2度目。「人を撮る際は相手の許可を取ってください。皆さんには肖像権があります」。担任は情報モラルの教育を織り交ぜ、教室前方の大画面に操作手順を映し出して指導する。つまずいている生徒がいないか手順ごとに確認し、サポートに入った複数の教員が教室内を回ってネットワークや機器のトラブルに対応した。使い終わった後は、生徒が充電プラグ付きの大型保管庫にしまった。

 授業後、1年の女子生徒は「スムーズに操作できた。将来役に立つと思うとうれしいし、授業に興味もわくと思う」。担任の生瀬有沙教諭は「今年の中学1年は去年の端末の先行導入ですでに使った経験があり、慣れていると感じた。ただ予想に反して手間取っていた操作もあるので、指導の方法は手探りだった」と振り返った。

 文部科学省は2019年、他国に後れを取っている教育の情報化を推進するため、小中学生に1人1台の端末を配備する「GIGA(ギガ)スクール構想」を打ち出した。人工知能による学習状況の分析を一人一人に応じた指導に生かしたり、情報を扱う技術を身に付けさせたりすることが狙いだ。構想では23年度までに配備する計画だったが、新型コロナウイルス感染拡大でオンライン授業の環境整備が急務となったため前倒しに。20年度内に一部自治体を除いて全国で端末整備を完了させた。

 ただ急ピッチで準備を進めたこともあり、デジタル分野に不慣れな教員から戸惑いの声もある。そのため京都市教育委員会は、授業での活用の進め方を具体的に示した指導計画などを各校に提示。また学校全体でデジタル化に取り組めるよう、教員でつくる「教育情報化促進チーム」を各校に設け、そのリーダーに「GIGAスクール推進主任」を置いた。

 朱雀中で同主任を務める合田智栄教諭は今後について、「端末を扱うスキルが生徒で異なることへの対応や、教科指導でどう使えば学習の定着につなげられるかを考えなければならない。初めてのことなので、やってみて見えてくる課題も多いだろう」と指摘する。