「四季の彩―遺作集」と題された写真集がある。ページをめくると、生命感に満ちた草花の輝きが目にまぶしい。

 江口洋子さん(86)の夫、継男さん(1991年6月、46歳で死去)はカメラが大好きだった。休日になると、仲間とともに撮影機材を抱え、京都の大原や滋賀の朽木をはじめ、近畿各地を飛び回った。美しい風景が撮れるタイミングで体調を崩すと、心の底から悔しがった。写真集は、江口さんが夫の死後、供養の意味も込めて自費出版した。あとがきにこう書いた。

 「生きることの厳しさを一番思い知らされながら、生きたいと願い、その時々を大切に写真を撮ったのだと思います」

 別れは突然だった。