「マッターホルンもいいけど、ここもいいよ」。京都府南丹市日吉町胡麻(ごま)の東胡麻城跡。同町最大の山城のPRに取り組む東胡麻文化振興会長の芦田俊孝さん(70)の言葉が熱を帯びる。地域遺産を生かした活性化に力を入れる芦田さんは「昔の人が一生懸命に生きようとした歴史が、山城から伝わってくる」と語る。

 東胡麻城の標高は約280メートル。争乱の1500年代に築かれ、険しい崖のある地形を自然の要害として生かした。宇野但馬守(たじまのかみ)という武将が治めたとされ、現在の兵庫県で勢力を誇った波多野氏などの軍勢と対峙(たいじ)する役目を担ったと考えられる。

 芦田さんらに同行して登った。少し歩くと、傾斜のある山道に突如として平らな場所が現れる。曲輪(くるわ)だ。下から攻めてきた敵を待ち構えて撃退する場だったと考えられる。戦乱の時代には戦闘があったのだろうか。何の変哲もない山道でも、歴史を知ると、数百年前の光景が眼前に……