酒類提供をしない異例のかたちで始まった鴨川納涼床。例年のような賑わいはない(1日午後6時38分、京都市下京区・四条大橋から上流を望む)

酒類提供をしない異例のかたちで始まった鴨川納涼床。例年のような賑わいはない(1日午後6時38分、京都市下京区・四条大橋から上流を望む)

 京の初夏の風物詩、鴨川納涼床が1日、始まった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が京都府に発令されているため、営業時間は午後8時までに短縮、酒類も提供しない異例の幕開けとなった。

 京都鴨川納涼床協同組合によると、今年は二条通から五条通までの鴨川沿いにある83店舗が納涼床を設置する。例年9月末までが床のオープン期間だが、近年は秋口でも気温の高い日が多いことから、今年は10月末まで設置期間を延長する。

 一方で、緊急事態宣言の期間中は休業を決めている店も多く、1日は暗いままの店も目立った。明かりのともった店では、夕暮れのひとときを過ごす客の姿も見られ、マスク姿の店員が応対していた。

 京都市下京区木屋町通五条上ルで昭和初期から続く料理旅館「鶴清(つるせ)」を経営する男性(46)は、1日のオープンを見送った。緊急事態宣言の発令中は予約状況などを見ながら営業するという。「酒類を提供しない営業なんて初めてだが、鴨川納涼床は豊臣秀吉の時代から続く京都の風物詩。歴史を残す役割を担っているという思いで頑張りたい」と語った。

 同組合の田中博代表理事は「国や府からの要請を順守しつつ、安心と安全を一番に考えるよう各店には要請したい」と話している。