<京の知恵 しあわせの食 小宮理実>

 こんにちは。料理研究家の小宮理実です。汗ばむような日があるかと思えば、雨も気になるこの頃。七十二候では「紅花栄(べにばなさかう)」にあたります。紅花といえば食用油でおなじみですが、古来より染料としても利用されてきました。お花は黄色でも、染めると優しい紅色に。初めて自分で購入した紬(つむぎ)も、紅花で染めたもの。この時期になると袖を通したくなります。食だけでなく、暮らしでも季節を意識して、楽しみたいものです。

 さて、今回は手軽でおいしい6品のご紹介です。「牛肉とクレソンのサラダ」は見た目も鮮やか。牛肉とおろしニンニクを一緒にフライパンへ。動かすことなく約2分焼き目を付けます。その後、調味料を加えて火を止め、クレソンとあえるだけ。レモン汁をかけるとさらに洗練された味わいに。ワインにも合います。

 「ミニトマトと干ししいたけのオイスターソース炒め」は、干ししいたけのうまみがポイント。おせち料理の研究を始めてから干ししいたけ料理に夢中で、以来、密閉容器に水と干ししいたけを入れて冷蔵庫に常備しています。戻し汁は、煮物や炒め物に加えると自然のうまみが加わり、味に奥深さが出るんです。

 「手羽先のマヨネーズ焼き」はマヨネーズ好きの夫のために考えたもの。酒で鶏肉の臭みを消し、マヨネーズのコクを足して魚焼きグリルで焼きます。仕上げに粗びき黒こしょうを振り、味を引き締めています。「焼き空豆」は、私の大好物。蒸し焼きにして素材の味わいを閉じ込めます。

 キクラゲはビタミンDにカルシウム、食物繊維も豊富で、コリコリとした食感も楽しめます。もっと使いこなしたい食材の一つです。今回は絹さやと一緒に卵で炒めました。

 しょうゆタレをたっぷり染み込ませた「焼きおにぎり」は、冷めたら熱いお茶を注いでお茶漬けにしても。夏なら、麦茶で冷やし茶漬けもいいですよ。

 彩りも鮮やかな本日のお料理、お気に召していただけるとうれしいです。(料理講座「幸せ運ぶフクチドリ」主宰)

【2020年5月24日朝刊掲載】

ホームページ「料理研究家・小宮理実」(https://komiyarimi.com/)


◆小宮理実 こみや・りみ 1971年京都市上京区室町生まれ。おせち料理・行事食研究家。家庭で作る季節の行事食を伝えており、食育活動のほか、商品開発も手掛ける。著書「福を呼ぶ京都 食と暮らし暦」「京のおばんざい四季の味」。