改修工事が進む玄々斎宗室ゆかりの茶室(京都市東山区・圓光寺)

改修工事が進む玄々斎宗室ゆかりの茶室(京都市東山区・圓光寺)

茶室の床柱に刻まれた「利休十一世 玄々斎宗室」の書き付け

茶室の床柱に刻まれた「利休十一世 玄々斎宗室」の書き付け

 京都市東山区のNPO法人「東三条希望の会」が、地元の圓光寺にある近代茶道の基礎を築いた裏千家十一代玄々斎(1810~77年)ゆかりの茶室の改修を進めている。茶室は長年風雨にさらされて老朽化しているため、地域交流の場として再建を目指す。工事費に充てる寄付をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 玄々斎はテーブルといすで茶事をする立礼用の点茶盤を発案するなど、時代に合わせた茶道の在り方を考え、茶道中興の祖とも称される。茶室は、掲げられていた扁額(へんがく)から1853(嘉永6)年の造立とされ、床柱の下部には「利休十一世 玄々斎宗室」という書き付けがある。

 茶室は通常点前座に使われる台目畳が客座にも敷かれ、茶の湯文化に詳しい京都建築専門学校の桐浴邦夫副校長は「玄々斎の自由な発想が現れている」と解説する。

 かつて地域の茶会などで使われていたが、近年は壁がひび割れ、湯を沸かす室内の炉が抜け落ちるなど老朽化していた。まちづくりに取り組む希望の会が寺と相談し、地元に残る貴重な文化財として茶室を再建し、交流の場として活用することにした。

 工事では、当初から残る柱などの資材をできるだけ活用し、壁や建物の傾きを修復して江戸末期の姿に復元する。ただ、府などの補助金だけで工事費の全額を賄うのは難しく、CFで炉の改修費として30万円を目標に寄付を募っている。安田茂樹理事長(66)は「地元の誇れる文化財を発信できたら。まずは茶室の存在を知ってもらい、おもてなしの場にしたい」と話す。

 寄付は14日までCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で受け付ける。寄付の返礼として、茶室の1日貸し切りなどのメニューを用意している。