地元産の粘土で陶芸作品を前に、地域への感謝の思いを語る白石さん(京都府宮津市小田)

地元産の粘土で陶芸作品を前に、地域への感謝の思いを語る白石さん(京都府宮津市小田)

 京都府宮津市小田に住む陶芸家の男性が、地元で取れた粘土を使い、作品作りに取り組んでいる。地元住民らとぐいのみを作り、地区の文化祭で展示する予定で、「陶芸を通じて地域の人が集まる機会をつくっていきたい」と意気込んでいる。


 15年前に大阪から同市南部の上宮津地区に移住し、自宅兼工房で陶芸教室などを開いている白石裕久さん(76)。それまでは滋賀県甲賀市信楽町の粘土を使っていたが、土地に根ざした作品作りを目標に、粘り気があって高温にも耐えられる、陶芸に向いた地元産の粘土を探していた。


 7年前、自宅前で行われていた工事で出た粘土質の土を300~400キロ譲り受けた。最初は陶芸には向かず、自宅で保存していたが、時間がたつごとに成形できるようになり、昨年11月、全て地元産の粘土を使った作品を初めて作った。


 粘土は黄土色で、焼き上げると赤褐色になる。釉薬(ゆうやく)によって色を変え、これまでに茶わんや湯飲み、鉢など25点を作った。


 地域の人たちと一緒に作った酒器を、11月に行われる上宮津地区の文化祭で展示し、一緒に酒を酌み交わそうと考えている。白石さんは「移住者の自分を受け入れてくれた地元の人への感謝の気持ちを込めたい」と話している。