撮影・宮濱祐美子

<京の知恵 しあわせの食 小宮理実>

 こんにちは、料理研究家の小宮理実です。京都は昔から、まろやかな水で知られています。この水のおかげで、おだしもお茶もおいしくいただけて、本当にありがたいです。

 京都の豆腐のおいしさも、この水があってこそ。今もあちこちに自前で豆腐を作る店があり、いつでも気軽に買うことができます。京都では「おかずに困れば豆腐屋に走れ」と言ったそうですが、祖母がいた頃も、あと一品が欲しいとき、よく「豆腐があれば大丈夫や」なんて言っていたことを思い出します。お財布にも健康にも優しい豆腐。そのありがたさが、今ではよ~く分かるようになりました。

 シンプルに豆腐そのものを味わうのはもちろん、さまざまな食材との組み合わせも楽しいところ。お揚げと焼き豆腐を甘めのおだしで煮含めた「夫婦(めおと)炊き」は、わが家の定番。「めおと」と付くのは、相性の良い食材同士だからですが、お揚げさんと焼き豆腐は原料が同じ、申し分のない組み合わせです。豆腐を使うときは、水分をしっかり切ってから使いましょう。私は豆腐をキッチンペーパーでくるんで電子レンジで軽く加熱。時短で手間いらずです。焼き豆腐も水切りしてから使うと大豆の味わいがより引き立ちます。

 木綿豆腐の「豆腐ステーキ」も水分をしっかり切ってから焼きましょう。「具だくさんなおから煮」は、半端に余っていたお野菜やお肉など、なんでも刻んで加えてみてください。外せないのは干しシイタケとその戻し汁。凝縮された自然のうまみは、豆腐との相性が抜群です。あれこれ組み合わせを考えるのが楽しい「白あえ」。今回は、すり鉢でクルミをすりおろして衣にまぜ、アボカドとあえました。クルミは抗酸化作用があると言われ、日々の料理にせっせと取り入れています。「うまみいり豆腐」は干しシイタケとひき肉のうまみを味わいます。ごはんにかけてもおいしいんですよ。

 おやつも豆腐で作ります。名付けて「もちもち京都ドーナツ」。オリーブオイルを生地に加えてヘルシーに仕上げます。

 良質なタンパク質の宝庫、お豆腐を食べて今日も元気に生きましょう!(料理講座「幸せ運ぶフクチドリ」主宰)

【2020年6月14日朝刊掲載】

ホームページ「料理研究家・小宮理実」(https://komiyarimi.com/)


◆小宮理実 こみや・りみ 1971年京都市上京区室町生まれ。おせち料理・行事食研究家。家庭で作る季節の行事食を伝えており、食育活動のほか、商品開発も手掛ける。著書「福を呼ぶ京都 食と暮らし暦」「京のおばんざい四季の味」。